||地域振興研究||    調査のねらいケーススタディの概要

輸入住宅に関する研究
1.調査のねらい

 地域振興の基本である「人口の定着」を図るには、<大都市では得られないゆとりある居住環境>に囲まれた<魅力ある住宅>が必要と考えられる。
 
<魅力ある住宅>のひとつとして、商品性が高い「輸入住宅」があげられるであろう。
 
輸入住宅の導入によって、わが国とは異なる住宅供給システムが持ち込まれることが期待できよう。これによって、日本の住宅産業や住まい方の文化に有意義な影響・効果がもたらされるものと思われる。
 そこで、「人口の定着」を求めている、いわゆる電源地域の
気候の異なる3地域を取り上げ、輸入住宅の導入をケーススタディしたものである。

2.ケーススタディの概要

苫東地域
いわき地域
九州北部地域
気象条件等
寒冷地 高機密・高断熱性が必要
冬季 積雪量は少ない
風が強く、樹林地の保全が必要
冷涼地 高気密・高断熱性が必要
冬季 日射量が多く、パッシブソーラーの適地
夏季 不快日数は少ないが、通風確保が必要
雨量 少ない
日本海式気候 高気密・高断熱が必要
冬季 季節風があり、寒い
夏季 蒸し暑い
雨量 多雨。軒下空間、
住宅様式 高気密・高断熱の北欧・北方型 高気密・高断熱の北欧・北方型
日射、通風を取り入れる開口部付設

米国南部型(ケージャン様式)
 高床・軒の出が深い・ベランダ

住宅需要 [既存の住宅需要]
・苫小牧市、千歳市での人口・世帯数増加
・千歳市での札幌市への通勤需要
・札幌、関東からの別荘、UJIターン需要
[新規発生が想定される住宅需要]
・開発地域内事業所従業員の住宅需要
・研究機関等の施設立地の可能性
・千歳線の交通条件の改善
・いわ市での人口・世帯数増加
・いわきニュータウンでの住宅需要
 ・毎年200区画程度の供給実績
 ・市内からの住み替え、新築
 ・関東等からの転勤、UIJターン、リタイヤ層
[北九州市及び周辺地域]
・北九州市等への通勤需要
 →都市型、都市近郊型住宅
[京筑地域南部 例:築城町]
・Uターン、リタイヤ定住需要
・北九州市等への通勤需要
・公営住宅建設需要
 →郊外型定住住宅用
[筑後山間地域 例:浮羽町]
・脱都会住宅需要
 →田舎暮らし型住宅
輸入住宅の普及促進戦略 ・苫東開発地域への居住機能の導入
 →輸入住宅村を活用した段階的住宅地開発
 ・別荘地開発による地域イメージ向上
 ・既存集落周辺での宅地開発
 ・広域商業施設等とのセット開発による都市軸の形成
・モデル輸入住宅村の建設
 →地域の消費者、住宅供給者への認知
・いわきニュータウンでの公団、地元工務店、住宅関連産業との共同研究体制の構築
・郊外定住型のモデル輸入住宅村の建設
・輸入住宅による公営住宅の建設
 →地元市町村のイメージチェンジ
・北九州市、KIPROを中心とする新住宅供給システムの研究への参加
輸入住宅村
プロジェクト提案

<第1期>
@樹林地や湖沼等に隣接した別荘地開発
A遠浅既存集落隣接住宅開発
B幹線道路沿道への広域商業施設等の誘導
<第2期>
C都市軸ポテンシャルを活用した住宅開発
 ・都市軸周辺での集合住宅等の開発
 ・植苗駅周辺での戸建住宅地開発

 

●いわきニュータウン内でのモデル輸入住宅村の建設
 ・20区画程度の環境共生型輸入住宅村の建設
●小名浜港での輸入住宅基盤整備
 ・小名浜港でのコンテナ陸揚げ、保管、現場への陸送等の試行
 ・資材倉庫、加工組立型工場、輸入建材マート等の立地

●郊外定住型ののモデル輸入住宅村建設
 ・京筑地域での自然環境を生かした、ゆとりある輸入住宅村の建設
●輸入住宅による公営住宅の建設
 ・高齢者向け公営住宅建設
 ・既存公営住宅の建替における輸入住宅導入

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